「法話会レポート」 「タンカ」 「物語の紹介」

古くからチベットに伝わる「物語」や「タンカ」にはメッセージが託されています。

INDEX
2 法話会レポート ~チベットの心~
1 水牛おじさん
2 止観の心 ~成道のタンカ~

水牛おじさん

昔々、インドのあるところに親戚同士の水牛とヤクがいました。
ある日、甥のヤクは水牛おじさんに言いました。
「おじさん、ぼくは遥か遠くのチベットに塩を取りにいきたいけれど、大丈夫でしょうか?」

すると水牛はヤクに言いました。
「お前は体が大きいし、力もあるから何も不安なことはないよ。」
そう太鼓判を押したのです。

「おじさん、ありがとう。それでは、チベットに行くことにあたっておじさんに一つお願いがあります。
チベットというところは寒い場所なので、おじさんの毛を貸して頂きたいのです。戻ってきたら必ずお返ししますから、是非貸してください。」
と言ったのです。

水牛はその頃ふさふさの毛で覆われていたのでした。

 

そこで水牛は、
『・・・私の毛を貸してヤクがチベットから戻って来たら毛は元通りになるうえに塩は貰えるし、これは一石二丁だなぁ』
と考えました。

「ああ、いいよ。私の毛をお前に貸そうではないか。」
「ありがとう、おじさん。」

 

こうしてヤクは水牛おじさんの毛を借りて、寒さに耐えられるだけの毛を身に着けてチベットに塩を取りにいきました。

しかし、チベットに着いて見ると、そこはとても素晴らしい所だったのです。
草も水も実においしく、また空も澄みきっていて景色もとても綺麗でした。
そこでヤクはチベットに留まりたくなりました。
そしてヤクは水牛おじさんとの約束をすっかり忘れ、インドに戻らずチベットに定住してしまったのです。

さて、そんな事とはつゆ知らず、水牛おじさんはいつもチベットのある東を向いてヤクが戻ってくるのをずっと待ち続けたのでした。

現在、ヤクは毛がフサフサで、水牛には毛がすくないのはこういう理由からだとチベットでは伝えられています。

かわいそうな水牛おじさん・・・このチベットに伝わるヤクと水牛のお話は、『あまり簡単に話を信じてしまってはいけないよ』というような戒めのお話だそうです。

チベット人は厳しい大地で過酷な状況下で暮らしながらも、仏教の大事にしている利他を実践しようとしている人達です。
そんな彼らも商才に長けた商人という顔も持っていたりする人も多い民族です。そんな彼らに伝わったユニークな昔話です。

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止観の心 ~成道のタンカ~

タンカ

「このタンカ(仏教画)は仏教の瞑想修行のひとつである止観の心の状態を表したものであります。」と、ケツンサンポ・リンポチェが説明してくれました。

まず、タンカの下の方から見ていきます。すると、黒い象が暴れんばかりに歩き、手綱を引こうとする坊さんを振り切って、前を歩いていきます。

これは、心=(象)が自分の意識=(お坊さん)の統制を最初は受け入れられず、全く自分が統制できないことを表しています。

しかし次第に上方に行くつれて、象の頭が白くなっていきます。それはお坊さんが修行を進めていくうちに、統制できなかった心をコントロールできるようになっていくという事を表しています。

そして最後には、象を自分の乗り物としていくお坊さんが描かれています。

つまりこのタンカでは、、どんな人でも最初は自分の心に振り回されてしまうものですが、思いどおりにならない心は、時間をかけてしっかり心の修行をしていくと統制させることが出来る、ということを表しているのです。またこのタンカでは、愛らしい象とお坊さんのコミカルな表現も魅力です。

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ストーリー